荏田町の家の住人Ａさんは大手設計事務所に勤める建築家。仕事が忙しいため、自宅をつくっていく上で共同設計のパートナーを探していました。そこで共通の知人の紹介で、私に白羽の矢（？）を立ててもらい、荏田町の家の計画がスタートしました。

まずＡさんが図面と模型で基本案をつくりました。Ｌ字型の平面形の建物が中庭を囲むプランでした。その案をベースにＡさんと二人、じっくり、本当にじっくりと打合せを重ねました。奥さんの新しいお家に描いたイメージや、お子さんが成長した時の家族の暮らし方についてもたくさん話をしました。

誰もが一度は憧れた「アルプスの少女ハイジ」の小屋裏の寝床・・・。ベッドに寝転んで、天窓を見上げれば、流れる雲も星空も見えます！

大きな机はご主人の書斎です。大工仕事が得意で、以前のお住まいの家のほとんどの本棚も手作りされたKさん。大量の蔵書を納める本棚を、壁一面に作られる予定です。

◯和室
畳の上にドンと座れば、西に南アルプス甲斐駒ヶ岳、南に富士山の絶景。フルオープンサッシを使ったり、電柱や建物を隠す位置に木を植えたり、甲斐駒ケ岳が心に飛び込んでくるような見え方の演出を心がけました。

◯書斎コーナー
日常の家事や、得意の縫物などを行う奥さんの居場所。１階の真ん中に配置してあるので他の用事をしながらも使いやすいスペースです。

冬場に雪に閉じ込められてもいいように・・・。」というKさんご夫妻の要望。
食品がたくさんストックできるよう、収納はたっぷり。車で買い出しに行った荷物を運びこめるよう、玄関から直接キッチンへ行けます。そして洗面室の横にも、外から直接出入りできる食品リネン庫があります。

大きな吹き抜けが、リビング・ダイニングルームと２階のゲストルームや寝室をつなげます。お孫さん達が遊びに来ても「一つ屋根の下」にいる安心感。

薪ストーブコーナーは天井の高さを低く抑えた、少しこもった空間で炎を見つめる。ふと横を見ると南アルプスの絶景が・・・。人間の本能（？）をくすぐる居場所です。