5月のカヅノキハウス
- 2017.5.2
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カエデハウスの計画時に、建て主さんが当時住んでいたお家に
ヒアリングに行ったときのこと。
「キッチンのごみ箱が汚れるのが嫌で、ごみ箱は使わず
ごみ袋をそのままぶら下げて使っています。」という話を聞きました。
実際に見せてもらうと、
棚にいくつかのゴミ袋が吊り下げられていて
新居でもこの方式を採用したいということになりました。
設計を進めているある日、
家具職人のラボラトリー田中さんのご自宅で打ち合わせをしていた時に、
田中さんがつくったキッチン家具に、
ごみ袋が引き出せる工夫が施してあるものを見せてもらいました。
これだ!と思い、田中さんに「参考にさせてもらっていいですか。」とお話しして
できあがったのがこのディテールです。
スライドレールで出し入れできるので、
普段はごみ袋が目立ちません。
ちなみにごみ袋をひっかけるフックは、通常壁に設置するフックです。
実物をみないと良くわからなかったので、
ホームセンターにいって見つけてきました。
犬も歩けば棒にあたる・・・(笑)ではないですが、
机の上だけでは答えにたどり着けないこともたくさんありますね。
建て主さんとの会話の中で、
いろいろ細かな設計上の工夫が生まれることがあります。
特にキッチンは機能面や使い心地へのこだわりが建て主さんそれぞれにあって、
奥が深いです。
ある建て主さんが作業台カウンターについて、
カウンター天板を、下部の引き出し面より少し出っ張らせて欲しい
という話がありました。
例えばカウンターの上に落ちたパンくずを払う時、
この少しの出っ張りがあるとダスターで払ったパンくずが、
もう一方の手でうまく受けることができるということ。
また別の建て主さんからは、シンクの手前にタオルバーがあると、
洗物をする時にお腹があたって邪魔になるとの話を聞いた。
そこでいろいろ試行錯誤した結果・・・
こんな感じになりました。
キッチンは一から図面を描いて
大工さん、建具屋さんに制作してもらうことが多いのですが、
自宅のカヅノキハウスでの経験から
よく使うようになったキッチンパーツがあります。
カヅノキハウスのキッチンで
フライパンや鍋を収納する棚は、
シナランバーの板に塗装したものをつくりました。
しかし使っていくうちに、フライパンの底の油汚れが板について汚れてしまい
掃除をしてもなかなか汚れがとれない状態になってしまいました。
フライパンなど調理器具の底面も完ぺきにきれいにしておけば
良いのかもしれませんが、
それでも日々の調理で慌ただしく出し入れしていると
板の塗装面に傷がついてしまいます。
そこでいろいろと調べていくうちに
こんなパーツを見つけました。
キッチンパーツを扱っている
ekrea(エクレア)のワイヤーシェルフです。
スチールのクロームメッキ仕上で
ワイヤー上になっているため、
丈夫ですし、汚れをふき取るのも簡単です。
ワイヤーシェルフは手前に引き出せるので
奥の方も取り出しやすくて、有効活用できますね。
幅は600㎜と900㎜。
600㎜はコンロの下にちょうど良い幅で入るサイズです。
抽斗の引手は
シンプルなデザインのハーフェレのものを使っています。
またタオルバーは
大洋金物 ティーフォルム c-code
がシンプルで好きです。