ひとの居場所をつくる
- 2013.11.15
- |BLOG
冬に向けて寒くなってきましたね。
明日は少し暖かくなるようですね。
ミズニワハウスが完成して、
ここのところは次の現場の
エンガワハウスの申請と実施設計をつめています。
どこのお家の計画でも、
着工前は、
ひたすら実施設計の図面を描く日々が続くのですが、
着工が迫ってくるこのタイトな感じが、
結構好きだったりします・・・。
この時期に一日中予定のない日などがあると、
「よし、今日は気合を入れていくぞー!」
となるわけです。
さて今日は最近読んで面白かった本を紹介します。
西村佳哲さんが書いた
「ひとの居場所をつくる」
~ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話をつうじて~
という本です。
西村佳哲さんは、以前にブログで紹介した
「自分の仕事をつくる」や
「自分をいかして生きる」の著者です。
さまざまな人たちの仕事への姿勢を通して、
いきいきと生きていくことについて、
いろいろと語っています。
田瀬理夫さんは、福岡のアクロスで
大階段状の建物に、すさまじいばかりの屋上緑化、
というよりは山を一つ作ったような、
ランドスケープをされた方です。
私も以前にいた会社で、
一度だけ仕事をご一緒したことがあります。
となりで、クライアントへのプレゼンを聴いていると
たんたんと語っているのですが、
気が付くとあっと驚くような計画案を提案している・・・という感じの方でした。
その田瀬さんが中心になって、
岩手県の遠野市で、昔は盛んだった
馬と人との暮らしを復活させて、
その営みが美しい風景を取り戻していくというような(これは私の勝手な解釈ですが。)
壮大なプロジェクトが進められています。
その計画の話に沿いながら、田瀬さんがランドスケープへの考え方や
今の社会、そしてこれからの社会について考えていること
が語られていきます。
本の中ではいくつも印象的な言葉が語られていましたが
一つを紹介します。
「その地域に住んでいる人たちが、
本当に夢中になてやっていることが表に出てくるというか。
それが結果としてまちにもなれば、景色にもなる。
そういうのがいいんじゃないかと思うんですよ。
本物をやるというのはそういうことでしょう。」
人々の営みが景色をつくっていく、
その営みからデザインしていくのが本当のランドスケープデザイン
なのかもしれませんね。