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なるほどディテールブログ

玄関廻りの収納はたっぷりと(なるほどディテール。1章-06)

2017.4.18
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玄関は家の内と外の境界になり、人とものが出入りする場所。
そこには外部で使う多くのものを収納するスペースが必要になってきます。

ただ多くの家では、玄関は1坪ぐらいの大きさなので
限られたスペースの中でコンパクトに収納を確保する必要があると考えています。

これはカエデハウスの玄関。
姿見の左側の家具は下足棚です。
棚の一部分には扉を設けずオープンな棚にしています。
ちょっと花を飾ったり、鍵や宅配の印鑑を小さなかごか何かに入れて
置いておく場所としても重宝します。

姿見の右側の開き戸はクロークです。
クロークは目立たない場所に配置できれば
扉を設置しなくてもよいかもしれません。
冬はコートを取り出したりしまったり、
また子ども達も、夏は帽子、冬はマフラーや手袋を頻繁に出し入れするので
扉のないメリットもあるかと思います。

また玄関脇の外部空間を使って収納スペースを設けると
外で使う遊び道具、傘や掃除道具などを収納できて便利です。

カエデハウスの玄関脇には
雨には濡れないオープンなスペースを設けています。
建て主さんがいろいろ工夫をして
収納スペースとして活用しています。

「読んで楽しい家づくりの なるほどディテール。」オーム社
では、1帖程度のコンパクト玄関収納や、玄関と台所がつながったゆとりある玄関収納も
スケッチで紹介しています。

玄関には木製引戸(なるほどディテール。1章-05)

2017.4.16
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街中の家を見てみると、
玄関の扉は既製品の開き戸が主流のようです。

玄関扉を木製の扉にするだけで、
グッと雰囲気がよくなると感じています。

そして開けた時に扉が邪魔にならない引戸はとても使い勝手がいいので
準防火地域などで法規制がかかってしまう場合以外は
玄関に引戸を採用することが多いです。

ヘッジロウハウスの玄関まわりです。
床の大谷石、壁のそとん壁の質感と
扉の木の質感の組み合わせがとても好きです。

こちらはミズニワハウスの玄関。
格子網戸です。

格子網戸を開けると
このような感じで納まります。

ただ引戸にも弱点があります。
それは気密性。

解決策の一つとして
扉の下にエアタイトを付ける場合もあります。

建具下部の突起が、扉が閉まると押されて・・・

エアタイトが飛び出します。

エアタイトの耐久性など少し不安な面もありますが、
これからもいろいろと試行錯誤を重ねていきます。

「読んで楽しい家づくりの なるほどディテール。」オーム社
では、図面やスケッチをもちいて、詳しく解説しています。
共著者の徳田さんのアイデアもいろいろ面白いものがありますよ!

玄関ポーチの庇は手が届くほど低く(なるほどディテール。1章-01)

2017.4.12
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昨年11月に徳田英和さんと共著でオーム社より出版した
「読んで楽しい家づくりの なるほどディテール」。

これまで設計監理を行う中で、
建て主さんとの会話や、
現場での監督や大工さん達からのアドバイス
先輩達の工夫を見聞きすることなどで
住宅設計のさまざまな工夫を学んできました。

この本では、それら学んできたことを背景に
徳田さんと私が実践してきたディテールを
スケッチや図面を交えながら紹介しています。

それぞれの実例を写真でもっと紹介したかったのですが
紙面の都合もあり、紹介できていない実例もたくさんありました。

そこでこのブログで、
本で取り上げた「なるほどディテール」の実例を
少しづつ紹介していきたいと思います。

まずは1章の1で書いた
「玄関ポーチの庇は手が届くほど低く」の実例です。

玄関ポーチは思い言って高さを低くすると
家の佇まいがぐっと良くなります。
また低い方が、雨や日差しもしっかりガードしてくれます。

この写真はネストハウスのアプローチです。
人が立っているとスケールがわかりやすいのですが、
木製引戸の高さが1,850㎜で
引き戸の部分のポーチ床から庇天井までの高さは1,925㎜です。
ちなみに庇の出は、壁から800㎜程度です。

こちらはBulatハウスのエントランスポーチ。
低い庇が角部分にぐるっとまわっています。
こちらも高さは1,950㎜ぐらいと、
男性なら手を上げると簡単に天井に手が届きます。
この低さが、帰って来た人、訪れる人を
包こむような、迎え入れるような感じを演出します。

最後はカエデハウス。
庇ではないですが、2階のバルコニーの軒裏を低く設定しています。
決してご主人が2m越えの大男・・・というわけではありません(笑)。
床から天井までの高さは1,920㎜です。

このヒューマンスケールがいい! と思いませんか?

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