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2021年
森の本箱ハウス
Kさんご夫婦と家づくりの話をする中で、
「自然、書籍、絵画、音楽に囲まれた生活。」
ということばに、強い共感を抱きました。
ご夫婦ともに文系学問の研究者をしているKさん。
現在のご自宅を訪れたときに蔵書の多さに驚きました。
お子さんを含め家族が皆で使うワークスペースは、
本箱と窓から眺められる緑で囲まれたスペースにして
このお家の「かなめ」になるよう考えました。
そこで家に「森の本箱ハウス」と名前を付けました。
1階にはダイニングキッチン、畳の小上がり、図書室も兼ねたワークスペース、
水回りを配置しています。
ワークスペースは閉じたものではなく、
子どもたちと一緒に勉強するスペースとしても考えたいです、
という要望もあり、家の中をぐるりと回ることができるプランとしました。
たくさんの本に囲まれた環境で、お子さんたちは育っていくことと思います。
それまで賃貸物件に住んでいましたが、日々の暮らしのなかで、困ったことが1つありました。
われわれ夫婦には、仕事で使う書籍がたくさんあって、それをどう管理するか、ということです。
どんどん増えていく書籍をただ保管するだけなく、いかに使いやすく、整理された状態にしておけるか。
建売住宅や分譲マンションのチラシを眺めたり、モデルハウスに足を運んだりしましたが、とても満足できないものばかりでした。
天井まで本棚を置くことを想定した物件はもとより、家族がみんなで勉強するという発想の間取りは1つもなかったのです。
勉強するのは子供だけとはかぎらないのに!
そこで、これはもう専門家にお願いするしかないと考えました。
さいわい島田さんはこちらの希望に対して、興味深そうに耳を傾けてくれました。
現在の暮らしや将来どのように暮らしたいかを最初に詳しく質問してもらえるので、それに回答していけば、
あとは島田さんが格好の間取りを提案してくれるシステムができあがっているようでした。
こちらは気楽なものです。
生活空間と勉強空間とをほどよい距離感でつないでほしいという希望に対しては、1階をワンフロアにして、
階段を中心に回遊できる間取りをご提案いただきました。
これが非常に使い勝手がよく、しかも絶妙の距離感が生まれ、家族で勉強できるのはもちろんですが、
1人で勉強していても寂しくないのに集中できるようになっています。
ほかにも、かゆいところに手が届く工夫が目白押しで、たとえば、1階小上がりを間仕切りできるように、引き戸を設けていただきました。
これにより、1階のワンフロア内に6畳の個室ができるので、来客時やリモートワーク時には重宝しています。
しかも、この引き戸は引き込み式になっているので、壁内に戸を引き入れておけば、普段は広々と使えるのです。
このように、やはり専門家は違うものだな、と感じるところがあちこちにありました。
住み始めてからもう2年が過ぎましたが、いまだに「いい家だな」と思うことがよくあります。
以前は勉強するためだけに、大学の研究室まで行くことも多かったのですが、いまは授業のある日以外は自宅で過ごしています。
必要な書籍やOA機器はほとんど自宅に置いておけるからです。
以前は、リラックスするために、よく温泉旅館に行っていましたが、そういう目的での旅行には行かなくなりました。
居心地がよくて、自宅で十分にリラックスできるからです(その代わりに野外体験などの旅行に行くようになりました)。
風通しや日差し、断熱材のことをしっかりと考えていただいたので、暑さ寒さをそれほど感じません。
快適な暮らしとは、まさにこのことをいうのだと実感しています。
引き渡し後も、ちょっとした追加工事などをはじめ、こころよく相談にのっていただいた島田さんには心より感謝しています。
あのとき島田さんにお願いした自分自身には、よくやったと褒めたいぐらいです。